日本が転職しにくい国になったのは求人詐欺のせい

若者に貧困を強いる国、日本──貧困世代と求人詐欺

この記事では若者の貧困について様々な原因が書かれていますが、記者の少々強引な政権批判は横においておいても、「求人詐欺問題」については確かにもっと真剣に議論されても良いかなというのは感じました。

日本の求人は「入ってみないと分からない」というのが当たり前ですが、本当はこれがおかしいんだと思える感覚が必要です。海外の求人では「どんな仕事をするか」が先に来て、それ以外の仕事をさせられるなら改めて同意が必要となります。

求人は「良さそうに見えるように書く」というのが当たり前になってしまったことで、どんな弊害が生まれてしまったかについて考えてみます。

筆者もフリーライターに転職する前はサラリーマンでしたので、フリー以外の選択肢として転職も検討しました。当然、多数の求人サイトに目を通しましたが、「良さそうだ」と思った会社について色々調べれば調べるほど胡散臭い情報が出てくる始末。まともな会社もあるのでしょうが、「上手く隠されているのかもしれない」という疑念は消えません。

そんな中で転職に踏み切るのはかなりリスキーです。筆者の場合、どうせリスクを侵すなら、フリーで働くというリスクを侵す方が面白いということでフリーで働いているわけですが、こういう話を聞く度に日本の将来が心配になります。

昨今ではブラック企業の問題が取り沙汰され、ネットなどを通じて糾弾されます。こうしたブラック企業チェックが当たり前になったことで企業が体質を改善しようとするケースもありますが、実際には「求人が巧妙になった」ケースの方が多い気がします。

見た目にはブラックだということがわかりにくくなり、「怪しい企業」のパラメータが分からないと簡単に落とし穴にハマります。

よく言われるのが「初心者歓迎」「スキル不問」などの謳い文句で呼びこむパターン。考えれば分かることなのですが、誰にでも出来る仕事が本当なら代えがいくらでもいるので賃金は安いですし、その賃金で本当は誰にでも出来ない仕事だったら割に合わない苦労をすることになるでしょう。

他にも、「残業代の表記」「成果報酬型」など、様々なチェックポイントがあるようなのでチェックしてみてください。

こういう表記に気をつけて求人を探せば良いなら問題ないと思うかもしれませんが、これに当てはまらないブラック企業もありますし、そもそも「求人の大半がブラック企業のチェックポイントに当てはまる」なんてことはザラです。

こんな「求人があてにならない状態」で転職活動なんて出来るはずがありません。さらに、求人の質が変わらないので、求人サイトはマーケティングで勝負をすることになります。

すると、満足度が高くなりやすいアンケートをつくって「満足度◯◯%」を謳ったり、転職した人にお金を払って「転職が素晴らしかった」という感想をブログに書いてもらうこともあります。さらには、ライターに依頼して転職成功体験を模したウェブサイトを作ることさえあるのです。

「求人広告で転職者を騙したもの勝ち」のような状態では、転職なんて出来るはずがありません。雇用の流動性を確保する方法の一つとして、求人の健全化は必須でしょう。

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