北海道七飯町の林道で行方不明になった7歳の少年が、事件から6日後に発見されたというニュースがありました。
見つかった場所はなんと行方不明になった場所から7キロも離れた自衛隊の宿泊施設の中。幸い、水道が出る場所だったので水が飲めたため、6日間も生きていられたそうです。人間水だけで一週間は生きられると言いますが、まさに実践してしまうというのは驚きです。
小学生はハイキングなどで7キロくらいは歩けてしまいます。目に入った林道をずっと歩いていたのでしょう。少年は行方不明の通報があった夜には7キロ先の宿泊施設に到着したと話しているため、おそらく休みなくずっと歩き続けたと思われます。そして、疲れたところで目に入った宿舎に入ったと考えるのが自然です。。
幸か不幸か少年が歩いていた林道は大通りや街に続いておらず、自衛隊の演習場に向かうものでした。演習場は駒ケ岳の麓に位置する広大なものですので、自衛隊員以外は使いません。しかも、その宿泊施設を使う訓練が毎回あるとは限りません。いつ人が来るかわからないのです。
今回少年を発見した隊員も宿泊施設をミーティング室代わりに使うつもりで立ち寄っただけであり、見つかったのは単なる偶然です。というか、奇跡的な確率なのではないでしょうか?
奇跡の生還だったわけですが、それにしても・・・どうして捜索隊は何故見つけられなかったのでしょうか?
理由の一つには、父親の証言が変わったことで捜索隊が混乱したこともあるでしょう。山菜採りで歩き回る場所と置き去りにされて追いかける道では全然違います。加えて、少年はずっと歩き続けていた可能性が高いため、迷子になった後で大人が「探しながら追いかけても」追いつかなかった可能性が高いです。初動が遅れたなら尚更見つからないでしょう。
「子供だからそう遠くへは行ってない」という先入観も致命的だったように思われます。子供でも、道にそってずっと歩いていればとんでもない距離を歩けるのです。今回の場合は「怪我をして動けなくなっている」という想定もしていたため、中々捜索範囲が広がらなかったことも災いしました。
最初の数日は周囲5キロなど近場を探していたので見つかりません。それでも、捜索隊は一度は捜索範囲を15キロ圏内まで広げて探しているのです。見つかるとすればこの時だったと考えられます。
人通りの多い場所なら、少年が助けを求める事ができるため除外できるでしょう。人通りの殆ど無いエリアで少年が休んでいそうな建物をくまなく探しておくべきでした。もちろん、捜索隊も建物などを重点的に捜索していたはずです。それが、どうして「自衛隊の宿舎」が見逃されてしまったのでしょう?
林道は繋がっているらしいので、そこまで歩いてしまう可能性は考えられたはずです。にも関わらず見落としたのは、「子供が一人で歩いてそんな場所まで行けるわけがない」と考えてしまい、全ての建物を確認しなかったからなのではないでしょうか?
推測に過ぎないですし、真相についておそらく説明があるはずです。
今回は奇跡的に助かりました。しかし、今回のケースであれば小学生の行動力を念頭において探していれば見つけられたはずです。「見つかって良かった」ではなく、「何故見つけられなかったのか」を真剣に考える良い機会かも知れません。