ガイアの夜明けでは廃材を利用したビジネスを営む企業が紹介され、米国には個人で年収2600万を稼げると豪語するゴミ拾いの実業家まで現れています。しかし、ゴミを拾って生計を立てているホームレスたちはそんなに裕福な生活とは思えません。彼らとホームレスの違いは知識と人脈にありました。
まず、廃材を利用したビジネスで私が注目したのは、「廃材の回収と目利きを企業が行いそれを腕の良い職人に渡して製品にしてもらう」というビジネススタイル。材料費は殆どかかりませんが、制作には相応のコストがかかります。
それでも、自治体と協力したり、思い入れのある廃品を再利用する形で付加価値をつけて販売しており、採算はとれそうです。他にも職人自身が廃材を収集して商品にするというスタイルも見受けられます。どのケースでも、「スキルのある人間が商品化する」という過程が必須です。
このケースを一般人が真似るのは難しいでしょう。ゴミは一般ごみではありませんし、高度なスキルが必要です。
一方、米国のケースでは基本的には一般ごみを利用していました。ただ、お国柄もあるかもしれません。どうやら動かなくなったパソコンやカメラを平気で捨てていく人がいるらしく、それを回収しているようです。また、電気屋などの専門店のゴミ捨て場からも捨てられた商品を回収しており、「専門の回収業者はいないのか?」と突っ込みたくなるような状態でした。
米国ではゴミの曜日分別などはしておらず、少量の資源ごみならそのまま普通のゴミ捨て場に捨てます。回収所はあるのですが、そこまで行くのが面倒な人は多いですよね。それでも、収集所で資源ごみをある程度は分別出来るのでリサイクルは可能ですし、総合的なリサイクル率は日本も米国もさほど変わりません。そのため、ゴミ箱が宝の山になっているようです。この方も電子機器の取り扱いにある程度の知識があり、自分で組み立てなおして高額で販売しています。
消費大国の米国らしいといえばらしいですが、日本も消費大国としては負けていません。日本では非常に手間をかけながら分別を行っていますが、廃棄物の量は世界でも屈指の量です。リサイクルの決まりが自治体毎にバラバラなので、リサイクルができている地域とそうでない地域があります。
さらに、リサイクル業者が確実に回収する資源ごみを無断で持ち出すのは違法ですが、可燃ゴミや粗大ごみの場合は法的に明確な判断がなされていません。つまり、可燃ごみの日に資源ごみが可燃ごみと同様に袋に入れられて廃棄されていた場合は可燃ごみ扱いになる可能性があります。
比較的稀だとは思いますが、日本でもリサイクルの甘い地域などを狙ったホームレスがいるらしく、ゴミの回収でかなりのお金を手にしているケースもありました。このように、日本でもゴミで金儲けをすることは不可能ではないようです。
しかし、「ゴミを再利用する知識」や「ゴミが出やすい日時と場所を知る知識」が最低でも必要になることは間違いありません。知識があれば、ゴミでお金儲けが出来るという良い例ですね。