「ひとりぼっち惑星」というスマホゲームをご存知ですか？ 公開から１週間足らずで数十万ダウンロードを達成し、アンドロイドアプリランキング１位を達成したアプリです。
人類がいなくなってしまった惑星に残された「あなた」が、絶えず戦争を繰り広げる「じんこうちのう」の部品を使ってアンテナを作り、宇宙にいる「だれか」のメッセージを拾いつつ、「だれか」にむけてメッセージを飛ばすゲーム。
非常にシンプルなゲームでありながら、これほどの人気を博したのは何故でしょうか？
システム自体は非常にシンプルです。ロボット達の戦争を眺めて部品を集め、部品を使ってアンテナを作り、メッセージを受信したり、メッセージを送信したりするだけ。これといった操作方法の説明もなく、感覚的に出来てしまうゲームです。
このゲームの醍醐味は「だれか」とのメッセージのやりとりですが、ソーシャルアプリにありがちな「フレンドシステム」などはなく、本当に誰だか分からない「だれか」とメッセージのやりとりをします。
しかも、自分のメッセージが「だれか」に届いているかどうかもわかりませんし、「だれか」から来たメッセージが一体誰のものなのかもわかりません。ですが、これがこのゲームの世界観に驚くほどマッチしているのです。
これについては後述しますが、ゲーム自体のクオリティも高いです。
「じんこうちのう」と呼ばれるロボット同士の戦闘は滑らかで綺麗ですし、散らばった部品を集めるのも指で埃をすーっとなぞるような感覚で集められるので、ただ部品を集めているだけでもそれなりに楽しいです。
さらに、使われている音楽も切ない世界観に合った音楽となっており、ぼーっと部品集めをしているだけでもなんだか心が落ち着くような不思議な気分にさせられます。
一定期間毎に電波塔からロボットの動作をおかしくさせる電波を出せるようになるのですが、この時に巨大なロボット兵器が登場します。この巨大ロボット兵器はゲーム上の「じんこうちのう」達を一掃するほど強力なものですが、この巨大ロボット兵器が破壊される時に大量に部品を落とすので、部品集めのパートも結構面白いです。
さて、この「部品集め」がゲームのメインパートではありますが、本当に面白いのはここからです。
部品を集めてアンテナを強化すると、メッセージを受信するようになります。最初は物語の世界観を説明するためのゲーム内で設定された「だれか」からのメッセージなのですが、最大まで強化すると同じ別のプレイヤーが発信したメッセージを受信出来るようになります。
以下は私が実際に受け取ったメッセージです。
私は「ときた」さんが誰なのか知りません。これは親切に差出人が書いてありますが、差出人のないメッセージも沢山あります。なんとなく、手紙の入った瓶を海で拾ったようなイメージが近いかもしれません。
もちろん、自分でメッセージを出すこともできます。
このメッセージに宛先は決められません。もちろん、「ときた」さんにメッセージが届くかどうかもわからないのです。誰かがメッセージを読んでくれていると信じて、メッセージを送ります。この場合、瓶に手紙を入れて海に流すようなものですね。
このゲームは「惑星に残されてしまったあなた」が「宇宙のどこかにいるだれか」とメッセージのやりとりをするという設定になっており、このメッセージ機能がそれにぴったりと噛みあうのです。
メッセージの内容は人それぞれで、世界観にマッチした「本当に宇宙に取り残された人から来たようなメッセージ」もあれば、「下ネタ」に走ったものもあります。どんなメッセージが来るかわかりませんが、素晴らしいメッセージが来ると感動するでしょうね。
メッセージはこのように表示され、どんどん溜まっていきます。
画面右上にある「カメラ」ボタンでスクリーンショットを撮れば簡単にツイッターなどで共有できるようになっていて、既にネットには「こんなメッセージをもらった」というようなツイートなどが沢山上がっています。
「どんなメッセージが来るだろう」
「どんな人から来るのだろう」
「どんな人が自分のメッセージを読むのだろう」
そんなことを思いながら、メッセージのやり取りをするのです。メールやメッセンジャーが発達した現代では失われてしまった不思議な感覚です。
宇宙に取り残されてしまった人のメッセージを読むと切なくなりますし、一人でメッセージを書いているとなんだか本当に惑星にひとりぼっちで取り残されてしまった気分になります。
無料で簡単に出来るアプリなので、ぜひプレイしてみてください。