ロボット開発に先鋭化する日本企業と人工知能開発に注力する米国企業の二つの未来

人工知能の開発は「google」「Apple」「Microsoft」が莫大な予算を組んで進めていますが、日本企業における人工知能開発はそれに比べるとかなり遅れています。

トヨタ、ホンダ、日立など主要メーカーが人工知能開発に力を入れていくことを表明していますが、Googleのような大規模なベンチャー買収などは進めておらず、どうしても見劣りしています。また、最近では中国が1兆6千億円規模の資金投入なども発表しており、日本は国レベルで人工知能の開発競争に出遅れてしまった形になりました。

そんな中でトヨタはGoogle傘下の有力なロボット開発企業などの買収を進めており、まるで「人工知能よりロボットだ」と言わんばかりです。他にも日本企業はロボット製品の市場投入に積極的で、非常にバラエティに富んだラインナップを誇っています。

なんとなく、「ロボットの日本」「人工知能の米国」という構図が深まりつつあるように思えます。

人工知能というのはあくまでソフトだけの存在であり、ソフトを入れる媒体を必要とします。ネットワークがあればどこにでも入れる人工知能ではありますが、人間の生活に影響力を与えるためにはロボットが必要です。脳みそだけあっても意味がありません。製造ロボットから接客ロボットまで、人工知能という「頭脳」が入る「体」が不可欠なのです。

これは将来的に日本が作ったロボットの中に米国製の人工知能を入れるという流れが生まれることを意味しています。しかし、最先端の人工知能を抑えられてしまうのは辛いです。

未来のロボット開発では人工知能が補助的な役割を担います。設計やシミュレーションまでありとあらゆる過程に人工知能があった方が効率的になるでしょう。そして、米国のロボット開発チームに最先端の人工知能が入ってロボット開発を補助すれば、日本が開発するロボットよりも高性能なロボットを作れるようになるかもしれません。

半導体やディスプレイが中韓に流れても、製品製造を担う「精密機械」の面では日本が世界トップクラスのロボットを作っています。ここに関しては間違いなく日本の強みと言える部分でしょう。

すでに先を越されている人工知能開発よりもロボット開発に注力して差をつけるという「選択と集中」は短期的に見れば正解です。しかし、長期的に見るとかなり不安な要素を含んでいます。

人工知能が一定のレベルに達する前に、人工知能開発のキーマンを育成するか引き抜きたいものです。

さもなくば、日本が人工知能の能力を最大限に発揮できるロボットを作っている間に、それに代わる新しいロボットを米国が人工知能と一緒に作ってしまうことでしょう。

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