普通のオッサンやオバサンが実は意外に必要とされているのかもしれない

おっさんレンタル1時間1000円、用途さまざま…意外な人気の“ヒミツ”

記事を要約すると、
「おっさんを1時間でレンタルできるサービスが広がりつつある。報酬は安くてボランティア感覚で参加するオッサンが殆ど。しかし、オッサンには妻子持ちも多く、赤の他人に時間を使う暇があったら家族や親戚に時間を使え!」 てな感じ。

この記事を書いたライターさん的には強い違和感を抱いているらしく、おっさんレンタルというサービスの側面についてあまり深掘りできていませんでした。なので、ちょっとオッサンレンタルなんていうサービスが生まれてきてしまった側面について考えてみようと思います。

この「おっさんレンタル」は、「JKレンタル」がちょっとした出合い系のように機能していたのに対し、どちらかというと「何でも屋的な側面」が強いサービスのよう。

彼らが請け負っている仕事の多くは、「人生相談」、「ちょっとした雑用」、「簡単な頼みごと」など、本来であれば「父親」「親戚」「近所」「友人」など、自分に関わりあいのある人に頼むべき仕事ばかりでした。

それをお金を出してやってもらうということです。

確かに、健全な人間関係を築いてきた人や頼れる人が沢山いる人が使うサービスでは無さそうな気がします。

しかし、都会の人間関係というのは複雑です。

地方から出てきたばかりの人や引っ越しが多い人は、周囲に頼れる人がいないなんてことはザラです。また、同じ場所に住んでいたとしても周囲の人間が頻繁に入れ替わるようだと、近所付き合いを積極的にやろうとする人も少なくなります。

頼れる親戚がいても遠くに住んでいるようだと簡単な頼みごとで呼びつけるわけにも行きませんし、近くにいても「迷惑をかけたくない」という心理が働いて頼みにくいこともあるでしょう。

そうでなくとも、家族関係や近所づきあいが上手く行っていなければ頼めません。そもそも、そうした人間関係の悩みを相談したいことだってあるでしょう。自治体のサービスや専門家に相談するほどでもなく、「ただ誰かに聞いて欲しい」というケースだってあるはずです。

そんな時に、人生経験の豊富な「オッサン」に、相談したい、助けて欲しい、そう思うことは確かにありそうです。

記事ではサービスを提供する「オッサン」側に対する批判もありましたが、ボランティア感覚でそういうサービスに登録する人にもなにやら事情がありそうです。

単純に「頼られるのが好き」だとか、「人助けが好き」という人もいますが、家族をほっぽり出して赤の他人を手助けするくらいなら、家族を助けろとこの記者の方は主張しています。

確かに、お金を貰った時だけ相談に乗り、最後まで責任を取る必要もない仕事というのは楽です。単純に安易な方法で自己肯定感を得ようとしている人もいるでしょう。

しかし、仕事や家族関係が上手くいかず、「活躍の場を失った人」や「自信がなくなった人」も中にはいるのではないでしょうか。そういう人が「自信を取り戻す」意味でも、何らかの形で人助けを実感しやすい場が提供されるのは良いことだと私は思います。

なんにせよ、使う側にも使われる側にも色々な事情があるということです。ありきたりな価値観に当てはめてただ批判するだけでは何も生まれないでしょう。

また、これは「おっさんレンタル」ですが、「おばさんレンタル」みたいなのもあって良さそうです。

料理や掃除のような家政婦的なサービスは家政婦に頼むとしても、女性ならではの悩みを相談したり、トラブル解決に役立てるというのは良いのではないでしょうか?

現代では親戚や家族間の関係が希薄になりつつあり、価値観の多様化で様々な人間関係のあり方が許容される様になっています。

そんな中で、今まで沢山いたはずの頼れる「おじさん」「おばさん」をレンタルするというのも一つの選択しかもしれません。

もちろん、お金を払わなくても助けてくれる人がいるに越したことは無いんですけどね。

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